企画展「没後50年 考古学者 藤森栄一と諏訪の考古学」

  考古学者の藤森栄一(1911-1973)は諏訪市上諏訪の商家に生まれ、旧制諏訪中学校(現 諏訪清陵高校)の在学中すでに考古学についての論文を発表するなど、若くして頭角を現します。大学への進学は叶わず家業を手伝いながら独力で調査や論文執筆を続けますが、考古学への思いは断ち切れず、昭和8年には諏訪を離れ東京へ上京し、森本六爾(奈良県出身の弥生時代研究者)や東京考古学会で多くの研究者仲間を得て活動します。

 青年時代は東京考古学会での活動に、みち子との結婚、そして太平洋戦争への従軍と、激動のうちに34歳で終戦をむかえます。翌21年に復員すると諏訪に戻り、以降亡くなるまで諏訪を拠点としてさまざまに活躍します。

 戦後は古書店「葦牙(あしかび)書房」、旅館「やまのや」を妻とともに経営しながら、「諏訪考古学研究所」を立ち上げて若い研究者たち、そして地域住民とともに諏訪地域の遺跡発掘を精力的に行いました。

 単著や論文など生涯で600以上の文章を世に残しており、昭和21年に出版した『かもしかみち』は多くの若者に影響を与え、考古学の道へと誘うものとなりました。また、藤森や研究所が発掘や収集した考古遺物約6万点は、平成24年に国登録有形文化財に登録されています。
 考古学者であり、執筆家であり、多くの後輩研究者を直接・間接に生み育てた藤森の業績と精神は現在も引き継がれています。本企画展では、藤森の生涯を振り返るとともに、関係した人物、調査研究した遺跡や考古資料などについて展示紹介します。

 

 ■期 間:令和5年11月18日(土) ~ 12月24日(日)

 ■入館料:一般500円・小中学生150円(20名以上で団体料金 一般400円・小中学生100円)

      諏訪地方在住・在学の小中学生は無料

 ■開館時間:午前9時~午後5時(入館は午後4時30分まで)

 ■休館日:毎週月曜日・祝日の翌日(11月24日)

 

藤森栄一紹介パンフレット(会場にて無料配布した小冊子のPDFです)

 

チラシPDF

 

 

              開催期間中のイベント              

 

□①~③いずれも事前申し込みが必要です。定員に達し次第、申込みを終了します。➡3回とも申込受付終了しました

□申し込み開始日:11月8日(水)から

□電話または受付でお申し込みください(休館日を除く午前9時から午後5時)

 

①諏訪考古学研究会共同開催『 没後50年記念フォーラム じっくり一日、考古学者・藤森栄一を振り返る』

  ➡定員に達しました。申込受付終了(11月26日)

■日 時:12月3日(日) 午前10時~午後4時

■会 場:諏訪市博物館 学習室

■定 員:40名(事前申し込み・先着順 11月8日から申込み受付) ➡定員に達しました。申込受付終了(11月26日)

■料 金:入館料がかかります(イベントは無料)

■講演者と演題

 三上徹也氏 考古学を心に灯した曽根と、心の師・小澤半堂  10:15~11:05

 髙見俊樹氏 アマチュア考古学の梁山泊・諏訪考古学研究所  11:15~12:05

  昼食 12:05~13:00

 宮坂清氏  縄文農耕論への道のり             13:00~13:50

 小松隆史氏 藤森栄一と井戸尻遺跡群            14:00~14:50

 小林公明氏 藤森栄一を語る                15:00~15:50

 

②諏訪考古学研究会共同開催『藤森栄一弟子 宮坂光昭 没後10年 事績と思い出を語りあう』

  ➡定員に達しました。申込受付終了(12月10日午前)

■日 時:12月10日(日) 午後1時30分~3時30分

■会 場:諏訪市博物館 学習室

■定 員:40名(事前申し込み・先着順 11月8日から申込み受付) ➡定員に達しました。申込受付終了(12月10日午前)

■料 金:入館料がかかります(イベントは無料)

■講演者:鵜飼幸雄氏(諏訪考古学研究会会長)・百瀨一郎氏(同会会員)・河西克造氏(同会会員)

■趣旨:藤森栄一先生が諏訪に残した多大な業績。それを地元諏訪で継承し、調査・研究に尽力した宮坂光昭先生を懐かしんでいただき、次世代の諏訪考古学を担う方々に先生の人柄や学問をわかっていただく機会とする。

■内容:1宮坂光昭先生との出会いと印象

   2調査・研究・発掘・学会活動などの想い出

   3先生との私的な想い出

   4先生の調査・研究業績-現在的評価と今後の考古学研究に寄与すること-

   5総括(諏訪における先生の存在意義と、先生が我々に残したこと)

 

 ③長野県考古学会共同開催『 第47回藤森栄一賞授賞式および記念講演会』

  ➡定員に達しました。申込受付終了(12月13日午前)

■日 時:12月17日(日) 午後1時~4時30分

■会 場:諏訪市文化センター(住所 諏訪市湖岸通り5-12-18)

■定 員:80名(事前申し込み・先着順 11月8日から申込み受付) ➡定員に達しました。申込受付終了(12月13日午前)

■料 金:無料

■日程と講演者・演題

 12:30 開場

 13:00~13:25 授賞式 受賞者 藤森英二氏(北相木村教育委員会) 原田幹氏(あいち朝日遺跡ミュージアム)

 13:30~14:30 藤森英二氏 記念講演「八ヶ岳を越えて~信州縄文世界の多様性~」

 14:30~14:40 休憩

 14:40~15:40 原田幹氏 記念講演「石製農具の使用痕ー研究の歩みとこれからー」

 15:40~16:30 会田進氏 企画展関連講演「藤森栄一没後50年、縄文農耕と諏訪国建国論議の今」

 16:30 閉会

 

④展示解説

■日 時:11月25日(土) 午後1時30分~2時

■参加料:入館料がかかります

■申し込み:不要 時間までに展示室へお集まりください

 

【同時開催】すわ大昔ミニギャラリー展『没後10年 宮坂光昭 考古学と諏訪信仰』

■開催期間:令和5年11月18日(土) ~ 12月24日(日)

■展示会場:2階 常設展示室2内

■入館料:一般500円・小中学生150円(20名以上で団体料金 一般400円・小中学生100円)

     諏訪地方在住・在学の小中学生は無料

宮坂光昭は諏訪市湯の脇生まれで藤森栄一の弟子として地元で師とともに活躍した考古学者であり郷土史研究者。藤森亡きあとは自身が諏訪を牽引した。当館に寄贈された氏の収集考古資料や写真などを展示します。